小林化工㈱がイトラコナゾールに睡眠導入薬を混入させてしまい、クラス1の自主回収を発表したことは下記に記事で書きました。
今回、他のロットや成分量違いの錠剤についてもクラス2の自主回収が発表されました。
医療用医薬品メーカー 小林化工株式会社
その回収理由ですが、「承認書に記載のない工程を実施していることが判明いたしました」とのことです。
製造実態との相違について
製造実態との相違があった事例として有名なのが、化血研の不正です。
これのおかげで2016年に全ての品目を対象とした自主的な「承認書と製造実態との整合性調査」が行われ、他にも記載ミスなどがぼろぼろでてきたことで有名です。
カメ夫
まあ、記載ミスは「が」と「は」を間違えたレベルも多かったですが。
それ以降、医薬品業界では定期的に自主点検を行われることが求められてきました。
化血研も含めた不正の事例と関係する当局の対策は下記のような感じです。
不正が起きた年 | 社名 | 対策 |
2016 | 化血研 | 定期的な製造実態と承認書との整合性調査の実施 |
2017 | 山本化学工業 | 当局の抜打ち査察の強化 |
2019 | 松浦薬業 | 全国的な自主点検の依頼 |
このように、何か不正があるたびに規制が厳しくなったり、点検を要求されたり、対策を取られていますが、なかなかこの手のはなくなりませんね。
発覚も内部告発だったり、回収に関連して発覚したりと巧妙に隠されると中々不正が見抜けないのが実態です。
今回の「承認書に記載のない工程」が悪質なものかどうかはわかりませんが、悪質だった場合は、調査指示が全国的に出たり、何らかの対策がとられるんでしょうね。
そういう意味でもカメ夫にとっても対岸の火事ではなく、今後の動向次第では忙しさに拍車がかかりますので注視しています。
まとめ
まあ、不正は良くないですよね。
ただ、薬価引き下げや海外製造業者も含めたジェネリック業界の競争激化など中小は経営状況が必ずしも良くない場合も多いのが実際ですよね。
まあ、その辺のバランスを見るというのが薬剤師がなる製造管理者などの役職なのかもしれませんが...。
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