先日、ファイザーのアップジョン事業がスピンオフし、マイランと統合し、ヴィアトリス製薬が誕生するという記事を書きました。
今日、無事ヴィアトリス製薬が誕生し、日本でも、ヴィアトリス製薬(旧ファイザー・アップジョン事業部門)、ファイザーUPJ、マイランEPD、マイラン製薬の4社がヴィアトリスグループとして事業を開始するそうです。
当面は従来の事業を継続していくとのことですが、ゆくゆくは事業再編が進んでいくことでしょう。
意外とファイザーのスピンオフの記事を書いたら好評だったので、今日はもう少し真面目に考察したいと思います。
ファイザーがアップジョン事業をスピンオフした理由は?
前回の記事でも触れていますが、ファイザーがアップジョン事業をスピンオフしたのは、選択と集中の結果だと思っています。
ファイザーのアップジョン事業はプレガバリン(リリカ)を持っていますが、特許が切れます。
そのため、ほぼ後発医薬品との争いになる事業です。
その後発医薬品事業は皆さんが思っている以上に儲かりません。
その辺をもう少し説明していきたいと思います。
下記は楽天証券から持ってきたスクリーンショットですが、どこの企業の業績の推移かわかりますでしょうか?
正解は、後発医薬品最大手のテバです。
テバの売り上げは、大体200億ドル前後あります。レート105円の日本円換算だと2.1兆円くらいになります。
これだけ売り上げがありますが、2017年から2019年は赤字です。
2017年に至っては、175億ドルの赤字です。
テバの戦略がいまいちだとしてもどれけ競争が過酷かがなんとなくわかると思います。
続いて、今特許で稼いでいる企業としてアッヴィを比較したいと思います。
アッヴィはヒュミラで今爆稼ぎしていますが、このヒュミラも特許切れ間近ですが、最近の業績に関してはヒュミラパワーで稼いでいますので、比較対象としたいと思います。
※会社規模も全然違いますし、戦略などいろいろ違いますので、あくまでカメ夫なりの参考です。
なんと、アッヴィは最近300億ドル以上稼いでおり、営業利益も100億ドル以上あります。
これだけ、見ても後発医薬品はあまり稼げなく、特許で守られている先発医薬品の利益は莫大であることがわかります。
まあ、実際は研究開発費などもあるのでこの通りではないのですが。
そのため、ファイザーは将来的な成長のために、新薬が開発できる可能性がある分野に選択と集中を行ったというのがカメ夫の解釈です。
国内でも4、5年前に塩野義製薬が選択と集中を進めて、長期収載品をばっさり切り離したので、カメ夫的にはその時を思い出します。
まとめ
カメ夫なりの選択と集中の考察はどうだったでしょうか?
あながち、間違っていないと思います。
ただ、国内でもさらに選択と集中が進み、事業再編もどんどん起こるでしょうね。
医療業界の端っこにいるカメ夫も巻き込まれていくと思うので、内心ドキドキです。
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