カメを飼っている皆さんは、できるだけカメに長生きして欲しいと思っていると思います。もしかしたら、ご年配の方だと、自分の死後のカメの行方を心配している方もいらっしゃるかもしれませんね。
しかし、カメの寿命ってざっくりしすぎてない⁇
ミシニの寿命
ネットで軽くミシシッピニオイガメの寿命を調べると、野生だと30年、ペットだと10~20年といった感じだそうです。
ここで、野生下の寿命の真偽については少し疑問です。大規模な追跡調査を行わないと、野性下のカメの寿命は分からないと思うのですが、ミシシッピニオイガメでそのような調査が行われているのでしょうか。論文を引けば分かるのかな。
さて、この野生下と飼育下の寿命を信じると、疑問なのは、野性下の方が飼育下よりも長生きするという点です。
一般的に、飼育下では捕食者に脅かされることもなく、いつでも食物を摂取できる点から野生下よりもよっぽど有利な環境にいると思います。実際に、ペットの代表格である犬や猫は、野性下と飼育下では寿命が段違いに違い、飼育下が長寿ですよね。猫では、野生下では5年くらいに対し、飼育下では15年とかです。
ではなぜ、カメの場合飼育下の方が寿命が短いのでしょうか。カメ美なりに考えてみました。
犬・猫は何故飼育下で寿命が延びるのか
まず、犬や猫が飼育下で長寿な理由は、
- 外敵に脅かされることがなく、交通事故にあうことがない
- 飼育方法が概ね確立されており、適切な給餌がされている
- 室内飼育の場合は温度管理がされており、体力が奪われることがなく、病気になる確率も低くなる
- 病気になっても獣医にかかることで、健康体でいられる
といったところではないでしょうか。
人間の長寿化にも、大きな要因として、衛生・医療・食があると思います。飼育下でこれらを担保することにより、犬・猫の寿命が延びてきたのではないでしょうか。医療面では、近年では、ペットも家族の一員とみなされ、健康診断も行われるようになり、重病化する前に対処することができるようになってきた気がします。もしかするとそう遠くない未来で、多くの犬や猫が高血圧、糖尿病、脂質異常症などの薬を飲むようになるのかもしれませんね。
カメと犬猫の比較
さて、犬や猫が飼育下で寿命が延びることは何となく想像できましたが、何故カメは飼育下で長生きできないのでしょうか。
ここで、カメと犬や猫の大きな違いとして、爬虫類か、哺乳類かという差があると思います。
犬や猫は哺乳類であり、比較的人間と生活環境が似ていますよね。人間が快適な環境では、犬や猫も大体快適でいられる気がします。そして、同じ空間で生活することで、彼らの不調に気づくことも多いと思います。さらには、獣医のほとんどが、犬や猫を診ることができます。
対して、カメの場合、人間が快適な環境だからと言ってカメにとって快適とは限りません。人間とカメを同じ環境で生活させるとカメは間違いなくダウンするでしょう。そして、水槽の中のカメの不調に気づくことは難しいですし、もし気づくことができたとしても、カメを診てくれる獣医も少ない。
そんな感じで、カメを適切な環境で育てることは、犬・猫よりも難しいと思います。
もう一つ大きな問題として、「カメの飼育方法が確立していない」というところがあると思います。
冬眠させるかどうかも、寿命に大きくかかわると思いますが賛否両論ありますよね。カメ美は失敗が怖いので冬眠はさせませんが、冬眠した方が寿命が延びるのであれば、ここも野生下の方が寿命が延びる要因なのでしょうか。
カメの寿命の捉え方
そんな感じで、カメを長生きさせるのは結構難しいのではないでしょうか。
そして、もともとの寿命が長いから、
- 10年生きたから、長生きした ×
- 10年生きたから、早死にしたのかも ○
ということではないでしょうか。さらに言えば、座敷亀のブログでよくある
- この環境で10年生きているから座敷亀でも大丈夫 ×
- この環境で10年生きているからといって座敷亀で大丈夫とは限らない。そもそも寿命が長いし ○
ということではないでしょうか。勿論、座敷亀でも適切な種で、自由に水場に入れる環境で飼育すれば問題ないと思います。
飼い主にできること
結局、カメの飼い主はどうすればいいのかというと、カメ美が思うに、
- カメの飼い方は確立していないので、現時点で分かっている最適な環境をつくる
- 参考資料は怪しいネットの資料ではなく、飼育本や、きちんとしたサイトを選ぶ
ということくらいではないでしょうか。結局、カメについては未知の部分が多いと思うので、都度勉強して自分が出来る範囲で自分の考える適切な環境を用意してあげればよいのではと思います。
カメ美はカメ初心者で、知らないことばかりです。
カメ知識を増やしつつ、愛情をもって育てようと思います。
おまけ
カメへの気持ちを川柳にしてみました。
かめ愛し けれど心はつたわらず
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